「矢野が持っている監督の資質」

2013年の話

和田豊監督が指揮を執っていた、2013年。
阪神は前年の5位(監督は同じ)から一気に2位まで順位を上げた年でした。

その年も、その前の年も、セ・リーグで優勝をしたのは原巨人軍だったのはまだついこの間のことのように感じます。

でもあれからもう6年も経つのですね。

その頃、岡田元監督が著書に記していた「阪神の監督像」があります。

 確かにネット裏から野球を見れば、内部に長くいてわからなかったものが見えてくるというプラス面もある。しかし、あまりに長い間、ユニホームを着ないでいると、現代の野球は、まるっきり変わってしまうので対応できなくなる。3年、5年も経てば、他球団も含めて野球をやっている人間のメンバー構成は、ガラッと変わる。選手が替われば、野球が変わる。選手の考え方も変化するので、選手が何を考えているのかがわからなくなってしまう。そういう新旧の世代交代が、かなり短くなっていると感じる。
 だから5年以上、現場から離れてしまった人にいきなり監督として白羽の矢を立てることには違和感はある。監督候補をコーチや二軍監督として内側に置いておき、育成するのがベストだろう。では、阪神においてこの人なら?という人材は誰なのか。
 なかなか見当たらない。
 悲しいかな、それが答えになってしまう。

引用:「なぜ阪神はV字回復したのか」岡田彰布著168ページ

指導者になるためのプライオリティ

プライオリティ=「優先権」

以前から著書の中で、監督にふさわしい「選手時代のポジション」を解説しておられた岡田氏ですが

中でも、矢野さんが守っていた「捕手」というポジションは、指導者になるための強い武器を備えていると言われています。

 何より矢野の良さは、「投手を叱れる」というところだった。経験と知識に加え自信とリーダーシップがなければなかなか投手を叱ることはできない。相手を理詰めで納得させることができないのならば、叱責することなどできないだろう。矢野に説かれれば投手は納得する。そういう信頼関係を築ける捕手だった。これはきわめて重要なことである。
 (中略)
 年齢的な上下関係もあったのだろうが、私の知る限り、マウンド上で矢野のサインに首を振る投手はほとんどいなかった。投手陣は矢野に「すべてを任せてもいい」というくらいの信頼を寄せていた。
 矢野は、勝利への逆算が出来る捕手でもあった。7回から投入する「JFK」が絶対的な安定感を持っていた時代。矢野は、その3人の存在を計算に入れながら「6回までどうリードを保つか」と考えて、先発投手の配球を組み立てていたのだ。
 ホームランを打たれて逆転を許してしまうような場面では長打の危険性の少ないリードをする。本塁打さえなければ、たとえ1点をやってもOKのケースでは、1点はいいという余裕のあるリードをする。そうやってゲーム展開をマネジメントしながら「6回までリード」という勝利の方程式を守っていく。7回以降は「JFK」がいるのだ。
 (中略)
 9イニングを俯瞰で捉えて、逆算の配球のできるマネジメント力が矢野の素晴らしさだった。矢野は、今後、指導者になれば、捕手というポジションで積み上げてきた経験と利点を発揮できるだろう。勝つためにはどうすればいいか。それを具体的に感じ取ってきたキャリアは貴重だし、投手心理を含め投手のことがわかるということは、何ものにも代え難いと思う。監督になって、最も苦心するのは何か・・・と聞かれれば、ほとんどの経験者からは「継投」という答えが返ってくる。それほどピッチャー交代は、デリケートなものなのだ。データで割り切れるものではなく、感覚でしかわからぬ部分も多い。
 相手との比較、相性、投手の限界、調子、戦術、方策などは、実際にボールを受けて体験したものでしか理解できないところもある。
 「球に勢いがなくなった」
 「キレがなくなっている」
 「この打者とはデータではそうでもないが、実は相性が悪い」
 キャッチャーとして長くボールを受けてきた矢野は、それらを肌感覚でわかっている。それは捕手にしか得られない経験ともいえる。感性と経験。そして積み上げた実績。野球は、ディフェンス、投手力である。その部分への理解が深い矢野は、指導者としての資質をたくさん持っている人物と考えていいのではないだろうか。

引用:「なぜ阪神はV字回復したのか」岡田彰布著169ページ

これを読んで、まさしく今年の阪神にとって監督は「矢野さん」以外にいなかったな、と強く思いました。

そして矢野阪神が10年ぐらい続くといいな、とも。

キャッチャーとしての矢野さんも大好きだったし、お立ち台に上がったときのあの笑顔と「必死のパッチ」も大好きでした!

幼少期から「必死のパッチ」が普通の言葉だった私たちにはウケました!

そして不思議と矢野さんには、他球団からの移籍組の印象がまったくありません。

それはなんといっても、地元出身の監督だから、でしょうね。

岡田さん以来の快挙を成し遂げてくれるのではないかと、もはや期待しかありません。

早く始まってくれ~~~~!

あとがき

やっと記事が書けました・・・

ここまでの道のりがどれほど険しく遠かったか・・・

思えば先週の水曜日から始まったインフル地獄・・・

大人が一人インフルエンザにかかるのとは、その大変さが桁違いです。(今までの人生で最大級の試練でした)

4歳児と2カ月児と授乳中の母のいる家に持ち込まれたインフルエンザウイルス・・・

「死んだ方がいくらかまし」と何回も思いました。

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でも、今年も阪神の試合が観たい!

なので、頑張って生きながらえました(笑)

生きながらえてよかったと思える試合を見せてもらいたいです!

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2019 プレシーズン

Posted by どらみ